音の呼び名が何種類もある理由

私たちは、学校の音楽の授業で、歌ったり、リコーダーを吹いたりしてきました。
でも、実はそれだけでなく、ちゃんと簡単な楽理も習ってきているのです。
でも、なんとなくすっきりしない…といったお悩みが存在するのも事実です。
今日は、誰もが一度は習ったハズ?!の、役に立つ音楽知識についてご紹介します。

音の呼び方は、こんがらがりやすい

私もつい、レッスンでやってしまっていますが、音楽の授業は、色んな言語がごちゃまぜになっています。
音の名前は「ドレミ」(イタリア語)、
調性は「ハニホ、長調短調」(日本語)、
拍子感は「いち・に・さん」(日本語)、
楽語は「クレッシェンド」(イタリア語)。
このミックスされた感じが、難しさを感じてしまいます。
なぜ日本語とイタリア語が併用されているのか、
そのあたりは、ちょっと謎です。
でも、知っておきたいことは沢山あります。

クラシック音楽で、イタリア語が多い理由

楽語(=音楽用語)は、基本的にイタリア語です。
例えば「フォルテ」とか「クレッシェンド」などです。
なぜ「ドレミ」も、楽語も、イタリア語が使われているのでしょうか。
これには、音楽の歴史と関係があります。
17世紀よりもっと前、教会で歌われていた「教会聖歌」が発展して、宗教曲として歌われるようになりました。
各地に散らばっていた歌を、法王・グレゴリオ1世が、整理してまとめました。
イタリア・ローマこそ、キリスト教カトリックの総本山。
このことから、音楽用語をイタリア語で書いたのが始まりのようです。
時を経て、17世紀(バッハの時代)から、今でも有名な曲が多く作曲されるようになります。
当時の音楽家は、協会オルガニストなどの、キリスト教に関する職に就いている方々でした。
そのため、自然とイタリア語が音楽に用いられた、と考えられています。
また、宮廷音楽界において、イタリア人が強大な力を持っていたことも関係していると思われます。
このような背景から、今日でも音楽の世界では、イタリア語が使われています。

「音名」とは、そして国別の呼び方

日本、ドイツ、アメリカ英語圏の、「音名」をご紹介します。
「音名」とは、音そのものの名前のことです。
クラシック音楽で主に使われる音名
  読み方 説 明
日本 ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ 「あいうえお」ができる前の五十音「いろは」からつけられている。
ドイツ C(ツェー)・D(デー)・E(エー)・F(エフ)・G(ゲー)・A(アー)・H(ハー) オーケストラや吹奏楽で最も使われる
アメリカ・イギリスなど英語圏 C・D・E・F・G・A・B アルファベットのままの読み方

「音名」と「階名」の違いとは

これらの「音名」と、「階名」には、決定的な違いがあります。
音の名前は「音名」、
「ドレミ」は「階名」です。
これだと、よくわかりませんよね…
言い換えると、「音名」は、音そのものの名前です。
「ハの音」なら、ピアノの鍵盤で言うと、2つ並んだ黒鍵の左下の白鍵のことです。
ここが、ド。ハ、C。
「階名」は移動します。
調によって「ド」の位置が移動します。(「移動ド」とも言います)
ト長調だったら、
音名は「ソラシドレミファソ」
階名は「ドレミファソラシド」
ヘ長調も、同様に、
音名は「ファソラシドレミファ」
階名は「ドレミファソラシド」
階名は、主音が常に【ド】です。
音階によってドが移動することから、
《移動ド》とも言います。

管楽器では重要なこと

このことは、実は、管楽器では、結構重要なことなんです。
管楽器は、移調楽器が沢山あります。
「ド」の音を出すと、「B♭」「A」などが出る楽器のことです。
彼らは、常に楽譜を違う調に書き換えて、演奏しています。
フルートは、「ド」と吹くと「ド」の音が鳴りますね。
フルートはC管で、移調楽器ではないので、読み替えの必要がありません。
他の楽器、クラリネットはどうでしょうか。
クラリネット(B管)で、「ド」を吹くと、
「変ロ」「B♭」の音が鳴ります。
長さの違う種類(A管)では、「ド」を吹くと、
「イ」「A」の音が鳴ります。
「ド」が移動する、というのは、このようなことです。
オーケストラや吹奏楽は、様々な楽器が集まっています。
クラリネット(B管・A管)の他、特に管楽器は、移調楽器が沢山あります。
(F管・E♭管など)
そんな中で、
「じゃあ皆さんで、ドの音を出して下さい。せーの!」
とやったら、色々な音が出て大惨事になってしまいますね。
このことから、アンサンブルではドイツ音名を用いて、合奏が行われています。

背景にある歴史を感じれば

フルートに直接関係のないように思えることでも、興味を持って、昔の人達に思いを馳せると、見え方・聞こえ方も変わってくる気がします。
知識が深まることで、もっといろいろなことを知りたい、という気持ちも生まれてきそうですね。
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