リングキーとカバードキーはどう違うの?

「リングキーとカバードキーって、なんで2種類あるの?」

「どう違うの?どっちが自分に合っているの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?

今回は、その2種類について、歴史を振り返りながらご紹介します。

リングキー・カバードキーの誕生の経緯

1800年代、発明家であり音楽家だったT.ベームは、当時扱いづらかったフルートを大改良、現在のフルートの形を確立させました。
彼が改良したフルートは、最初はリングキーでした。
しかし、音量を増すためにトーン・ホール(キーの下にある穴)を大きくした都合で、指で押さえることができなくなってしまいました。
それがカバードキーの始まりです。
多くの改良が進められたフルートは、イギリスと、フランスのフルートメーカーにその特許を売り渡されました。
イギリスとフランスのそれぞれの伝統や事情により、ベーム・フルートのシステムの流れは、ここから違っていきます。
イギリスのメーカーは、カバードで作り、フランスのメーカーは改良し新しいリングキーを完成させました。
この新しいリングキーが現在のリングキーです。
“フレンチ・モデル”として世界に広まるようになったのです。

フレンチ・スタイルとジャーマン・スタイル

ベームがドイツ人だったにも関わらず、ドイツ人にベーム・フルートが採り入れられたのは、ずっと後のことでした。
フランスやイギリスでは作られていたものの、そもそも、ドイツではしばらくベーム・フルートが受け入れられなかったようです。
ベーム・フルートがドイツに入ってくるようになると、ドイツのフルーティストたちは自国のフルートメーカーに、ベーム・フルートの注文をしてきました。
そこで彼らが制作を習いに行ったのが、イギリスのメーカーだったのです。
そこではカバードキーのフルートを作っていましたから、ドイツに持ち込まれた技術もカバードキーになりました。
リングキーのことを「フレンチ・スタイル」と呼ぶのに対して、カバードキーを「ジャーマン・スタイル」と呼ぶのは、ドイツで制作されているフルートが伝統的にほとんどカバードであることから来たようです。
(ドイツ人だからといってジャーマン・スタイルばかりを使っているわけではありません。)

リングキーの構造

カバードキーはキーが全部塞がっていますが、リングキーはキーに7mmくらいの穴があいています。
リングキーのフルートで、実際穴があいているキーは5つ。
これらは、空気の流れ方の都合で、トーンホールがカバードキーよりも1mmくらいずれて作られています。
その都合から、カバードキーからリングキーに変えたい、などの要望は、できないのだそうです。
穴が全部塞がると、音が出ますが、少しでも指がずれて隙間ができると、音は出ません。

どちらがいいんですか?

右手の薬指(ピアノで言う4番の指)と小指(5番の指)が無理なく広がる方は、リングキーも吹くことができます。
フルートではここの間隔が一番広いのです。
リングキーは、指がずれて少しでも穴が見えてしまうと、空気が漏れて音が出ません。
持ち方にクセのついてしまった方は、指の矯正のために、あえてリングキーにするととても良いです。
手を開く形が良ければ、全てに好影響があり、上達も早くなります。
私も、リングキーに変えた時は、手の形を整えるのに苦労しました・・
でも、初めてフルートを始められる方は、基本をしっかり身につけることで、カバードキーでも良い姿勢を充分に作り出すことができます。
最初から無理をしてリングキーにすると、腱鞘炎になったり、演奏以外でものすごく気を使うことになる可能性もあります。
どちらが良いということではなく、自分にあったものを選ぶことが大事です。
今は亡きウィーン・フィルのW.シュルツ先生は、身体も手もとにかく大きいですが、カバードキーを使用していたそうです。
手の大きさではなく、何かカバードキーに対するポリシーがあるのかも知れませんね。

リングキーとカバードキーの音色の差は?

実際に音色に差はないと言われていますが、違うのは吹奏感です。
5つも穴があいていますから、空気の流れているビリビリしたような感触を指に感じることができます。
リングキーだからできる現代奏法も沢山生み出されていますが、W.シュルツ先生や、他の名プレイヤーは、カバードキーであっても、充分にそれらを演奏していました。
結局のところ、自分に合った楽器をどう吹きこなすか、というところに落ち着いてしまいますね。
リングキーとカバードキーの吹き比べ、あなたはどう感じるでしょうか?
機会がありましたら、ぜひ試し吹きしてみてくださいね!
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憧れのフルートを、あなたも吹いてみませんか?