フルートのピッチが合わない!
特に、吹奏楽やアンサンブルに入っていらっしゃる方は、ピッチの高さで悩まれることも多いかと思います。
そもそも、なぜ難しいのか?どうすればいいのか?をご紹介します。
気温によってピッチは変わる
フルートを吹く時、寒い日はなんとなく鳴らなく感じたり、 調子が悪い。
お風呂上がりなどのポカポカした時は、唇の状態が良いのか? なんとなくいい音に感じる。
そんなことはありませんか?
これは感じ方だけでなく、実際に「音の伝わり方」 が変わるからなんです。
先ほどの感覚を、寒いと音速が低い、暖かい(暑い) と音速が高い、と表現するとします。
なぜ音速が低くなるとピッチが低くなるのか、 速くなると高くなるのか?
ここから少々、説明が難しくなっていきますが、、
フルートを吹いているとき、楽器の中では音が振動しています。
Aを吹いているとき、(チューニングでA= 442Hzを鳴らしているとき)は、気温20度のとき、 1秒間に442回振動している、という意味だそうです。
音速が速くなると、管の中で振動する回数が多くなるので( 443回とか445回とか)、 その分ピッチが上がるということなんだそうです。
フルートを吹くとき、特に管楽器で合奏をするときは、 室温の安定した場所の方が合いやすい、ということになりますね。
それから、銀の楽器は熱伝導が最も良いそうです。つまり、 暖まりやすく冷めやすい。
逆に、洋白、金などは暖まりにくいが冷めにくいそうですよ。
唇の当て方で、ピッチは大きく変わる
傾向として、「内向き」の場合は全体のピッチが低くなり、「 外向き」の場合は高くなります。
そして、音色にも違いが出てきます。
結局どっちがいいの?と迷ってしまいますね。でも、 どちらも正解なんです。
どちらの奏法でも、大名人はいます。
ただ、これだけはやめた方がいいことがあります。
それは、AやB♭の音を合わせるためだけに、2センチとか、 異常に頭部菅を抜いてしまうことです。
これでは、せっかく442Hzで合うように設計されている楽器が、本来の働きができない状態にさせてしまっていることになります!
実際、吹奏楽部に入っている中高生の生徒さんは、この状態で初レッスンにいらっしゃることが少なくありません…
結局どうすればいいの?
フルートは、「こう吹けばこういう音程で吹いてくれるだろう」 と想定の下でしっかり設計されています。
てことは、やっぱり自分次第ってこと・・!
この難しさですよね。
思うに、弦楽器は4本の弦の「音程を自分で作る」作業ですが、
ラの指で吹けば、ラに近い音が簡単に出てしまう、ということです。
自分が、いかなる条件でも正しい音程で吹けるようになる、
チューナーとお友達に
正しい音程を知るのに便利なのが、チューナーです。
Aはこのくらいの音程なんだ、と、 はっきりとした目安を作ってくれます。
そして、自分の癖を知ることができます!
でも、いつまでも頼りにしていると、 なかなか自分の耳を鍛えることができなくなってしまいます。
「チューナーがないと、自信をもって吹けないんです」
「チューナーを忘れたから、今日はピッチが合っているか分かりません」
これでは本末転倒!
だから、自分の吹き方の特徴を知ることと、 良い音程を自分が「イメージできる」「再現しようと努力できる」。
このことが重要になってきます。
具体的な練習方法としては、
音を長めに出す(チューナーは見ない)
⇒吹きながらチューナーをチラ見する
⇒音程の状態を知る を繰り返す。
⇒吹きながらチューナーをチラ見する
⇒音程の状態を知る を繰り返す。
この順番だと、 効率よく練習できそうですね。
私がピッチを整えるのにやっていること
私はとにかく音程が高くなる癖があります。
とかく、アンサンブルでは迷惑をかけがちです。
本番でピアノと合わせるときも、チューニングは本当に緊張してしまいます。
私の場合は、吹き方をあれこれ工夫するより、 Aをいかに頭の中でイメージできるか、で随分変わってきました。
それと、緊張しても、肩や全身に力が入ったったような「 あがらない」状態をつくること。
このことも、大切になっています。
- 舞台袖で、ちょっと屈伸している
- 実はマメに深呼吸をしている
- ステージからの風景、曲の最初をどう吹くかイメージしている
こんな感じの、“ 周りに迷惑をかけなくてできること ”を実はしています。
今はコロナでコンサートは減っている状態ですが、その嫌な緊張すらも、懐かしくなってきました。
皆さんも、よかったらやってみてくださいね!