ロングトーンは音を作るための練習です。
レッスンでも、ロングトーンを大切にしています。
しかし、その理由を考えたことはありますか?
今回は、ロングトーンのマンネリを防ぎ、 どうやったら効果的になるかをご紹介します。
プロでもロングトーンから始める
フルートのプロでも、最初にすることはロングトーンです。
なぜかというと、よい演奏のためには必要なことだからです。
ロングトーンは、スポーツのウォーミングアップに匹敵します。
きっと、どのスポーツ選手も、 朝の練習は準備運動などで身体を整えることと思います。
私たちも、すぐに曲を始めるのではなく、 まずロングトーンで準備運動をします。
身体を、フルートを吹くための良い状態に整えていく。
自分の身体に目を向ける。
したい表現をするためには、基本が、本当に大事です。
どの教材でも取り上げられているけれど
フルートは、沢山の教則本がありますが、
ロングトーンは、必ず載っていることの1つです。
そして、ほとんどが同じ方法で、やりたいことが一緒です。
やりたいこととは、2音以上をスラーで吹くこと。
どうして2音、2音以上かというと、実は深い理由があります。
それは、「音楽は2音以上で成立するから」。
ロングトーンも、ただ“機械的に”ではなく“ そこに音楽を感じて”吹く。
ここがとても重要なところです。
ロングトーンを続けている人の演奏は
日々ロングトーンをされている人は、こんな風になっていきます。
- メトロノームのテンポに合わせられるようになった!
- 四分音符60で4拍伸ばすのが苦じゃなくなった!
- 自分好みの音を出せるようになった!
- 自分の音を客観的に分析できるようになった!
このように、自分の息をコントロールできるようになります。
フルートは、息を吐いて音を出す楽器。
よい演奏のためには、息を吐く「自分の身体」 をコントロールすることが大切です。
ロングトーンがめんどくさい人
逆に、「めんどくさい」「前の教室でもやっていたけど、 つまらなかったから」、
など、ロングトーンの練習が重要でない、と感じている方も、 中にはいます。
必要なことをしなければ、 先ほどのような楽しいことは難しくなります。
また、ロングトーンがあまり大事にされていないな、 という方の共通点も、
実はあります。
- 音が固い
- ワンパターン(常に同じ表情)
- レッスンでのアドバイスが理解しにくい
「レッスンでのアドバイスが理解しにくい」というのは、少々キツい表現ですが・・
具体的には、
“このあたりは低音域が多いから、もっと鳴らした方がいい”
“華やかなフォルテにしたいから、もっと口の中を広くして”
など、提案に対して「なんで?」と思われるようです・・・
更には、こんな良くないことも考えられます。
- 体に不必要な力が入ったまま演奏するクセがつき、
長時間の演奏は困難 - クセのある奏法を直すのが、かなり大変
こんなことになったら、大変どころではありませんね。
頭で音楽を理解することと、吹き方をコントロールすることは別。
吹き方をコントロールできる状態で、初めて、 やりたいことが実現できます。
とはいえ、もうほとんどの方が、 ロングトーンを丁寧にやってくれています。
どうぞご安心を・・!
上達中の方こそ、ロングトーンを
その方のレベルや年数に合ったロングトーンを選ぶことも大切です 。
フルートを始めて日の浅い方は、
吹き方を「安定」させることが第一です。
- 息の強さ
- 口の形
- 楽器の角度
これらが、色々と変わってしまうからです。
まずは3拍、4拍など、 徐々に音が長く吹けることを目指しましょう!
フルートをある程度吹ける方は、
様々な課題があります。
- 音によって音量にムラがないか
- 音色は均一か
- 自分の思ったタイミングで音が出せるか
- 意識して吸えているか
そして、イメージがとても大切です。
- 自分はどんな音が好みか
- ステージや広いところで吹くことを想像できるか
気分がのらない時には
「今日もロングトーンからかぁ・・」と思ってしまう時は、 ありませんか?
そんな時は、自分の気持ちを優先して、変化をつけてみましょう。
- 中音域からなのを、低音域から始めてみる
- 楽譜を左から右に読むところを、右から左に吹いてみる
- 全部お腹だけで吹いてみる(Fuのやり方)
それでも気乗りしなければ、音階練習からやって、 次にロングトーンでも、全く構わないと思います。
なんとなくやらないこと。これが大事です。
コンクールの楽屋では
若いとき、コンクールに何度も挑戦していました。
受付を済ませ、楽屋の扉を開けると・・
大量の「シーシ♭~~~」!!
ソノリテの6ページの1段目が、扉から大量に溢れてくるのです。
そして私も、「シーシ♭~~~」とやるのですが。
でも、その日の朝も、楽屋でも、 皆さん同じロングトーンをされているんですね。
不思議な光景ではありましたが、 なんだか懐かしくもある今日この頃です。
いかがでしたか?
ロングトーンを続ければ、 音色は素晴らしいものに成長します!
丁寧なロングトーンで、表現豊かな演奏を目指しましょう!